2022年10月29日~31日、フランス・パリでチョコレートの世界大会「ワールド チョコレート マスターズ 2022」のワールドファイナルが開催されます。大会を応援する「Mastersパートナー」となった「増田製粉所」よりお届けする連載2回目は、2021年8月に開催された日本国内予選で代表選手に選ばれた、神奈川県鎌倉市「カルヴァ(CALVA)」の田中二朗シェフのプロフィールと、大会にかける思いをご紹介します。
●「ワールド チョコレート マスターズ 2022」日本代表「CALVA」田中二朗シェフのプロフィール
田中シェフは1979年に大船の洋菓子店の次男として誕生。1998年「東京プリンスホテル」(東京都港区)に入社し、2001年「パティスリー アテスウェイ」(東京都武蔵野市)のオープニングスタッフとして勤務。2007年にフランスに渡り、パリやノルマンディー地方の店で修業。
帰国後、ブーランジェの兄・聡氏とともに、2009年8月に地元・大船に「ブーランジュリー・パティスリー カルヴァ(Boulangerie Pâtisserie CALVA)」、2017年12月には、北鎌倉の名刹・円覚寺(えんがくじ)の門前にチョコレート専門店「ショコラトリー カルヴァ(Chocolaterie CALVA) 北鎌倉門前(きたかまくらもんぜん)」をオープン。2021年7月には大船駅直結の商業施設「グランシップ大船」内の「FOOD & TIME ISETAN OFUNA」に「ショコラトリー カルヴァ」2号店もオープンしました。
ショコラトリーの開業時、田中シェフは、ヨーロッパとは異なる、日本らしいチョコレート、鎌倉という由緒ある古都ならではの品を作っていきたいと話されていました。全30数種のボンボンショコラは、1粒ずつ購入可能で、ギフト用ボックスは高級感のある上品な白木の箱。刻印された店のロゴマークには、日本古来の家紋のような意匠を採り入れ、チョコレートの結晶を表しています。
金柑、山椒、ほうじ茶、黒糖、紫蘇ライチなど、和素材を使ったボンボンショコラも種類が豊富で、素材をシンプルに活かしつつ、中身を二層重ねにしたものなど、趣向を凝らしたショコラが人気です。さらに、「ようかんショコラ」や「栗きんとんショコラ」といった、日本伝統の和菓子とチョコレートを融合させた意欲作も出し、看板商品となっています。
田中シェフは、ホテル時代からコンクールに挑戦する中でチョコレートに興味を持ち、専門店をオープンするに至ったそうです。2016年にはイタリアで開催されたチョコレートの国際コンクールにも出場。アメリカ・アトランタで開催された国際コンクール「PASTRY LIVE the Showpiece Championship」では、先輩であり師である「アテスウェイ」川村英樹氏とペア出場し、チョコレートのピエスモンテを担当。見事に優勝しています。
「ワールド チョコレート マスターズ 2022」の国内予選は2021年8月に開催されました。本戦と共通の「#TMRW_TASTES_LOOKS_FEELS_LIKE」(TMRW=TOMORROW)、「明日」というテーマに対して、田中氏は、テーマの解釈の深さと卓越した技術、現代のフードロスや多様性社会への配慮など、細部まで行き届いたパフォーマンスを発揮。審査員を務めた歴代の「ワールド チョコレート マスターズ」日本代表選手達からも極めて高い評価を受け、堂々の1位に。「増田製粉所」のアンバサダーでもあり、2005年に日本人として初めて出場した「アステリスク」(東京都渋谷区)オーナーの和泉光一氏も、「ダントツです。時空がちがう所にいた。」と話されています。
「優勝して、表彰台の一番上から“メイドインジャパン”の発信をしたい」と意気込む田中氏。皆の思いを受け止め、世界に熱いメッセージを届けてくれるに違いありません。
(取材:スイーツジャーナリスト平岩理緒)